英語学習において、リスニングとスピーキングのスキルは非常に重要です。これらを向上させるための効果的な学習方法の一つが「シャドウイング」です。この記事では、私の英語学習経験を基に、シャドウイングの有効性とその実践方法について解説します。また、シャドウイングを学習に取り入れる際に役立つ参考書も紹介します。
シャドウイングの効果は非常に高く、TOEICで500点を取れる方は正しいシャドウイングを実践することで3カ月で800点超えも可能です。
目次
シャドウイングとは?
シャドウイングとは、ネイティブスピーカーの発話を聞き、直後に同じ文を真似して話す学習法です。シャドウイングはリスニング力の向上はもちろん、発音の改善やリズム感の習得にも有効です。また、瞬時に英文を理解し、発話する訓練にもなります。
シャドウイングは、以下のような点で英語学習に有効です。
- リスニング力向上: ネイティブの発話を繰り返し聞くことで、英語の聞き取り能力が向上します。
- 発音の改善: ネイティブの発音を真似ることで、自然な英語の発音を身につけることができます。
- スピーキングスキル向上: 実際に声に出して話すことで、スムーズな英会話能力が養われます。
シャドウイングに挑戦!
次に、私が実践した3つのシャドウイング方法をご紹介します。各方法には【】内で難易度を示しており、特に3つ目は難易度が高いため、上級者や慣れてきた方には特におすすめします。
- 本文を見ながらシャドウイング【低】
- 本文を見ずに聞いた音をすぐに発音するシャドウイング【中】
- スピーカーの息継ぎまで待ってシャドウイング【高】
- スピーカーが発話する際に、息継ぎするタイミングまで待ち、タイムラグがある状態でシャドウイングを続けます。英語のかたまりをまるごと覚える必要があり、非常にレベルが高いですが、その分効果も増加します。
シャドウイングのコツ
- 自分の英語レベルよりもやや易しい教材を選ぶ
- 教材が難しいと続けることが困難になります。聴いて内容の半分以上を理解できるものがおすすめです。レベルが上がるにつれて上級の教材を使うようにしましょう。
- 教材は自分の興味や目的に合わせて選定する
- 語学試験が目的の場合はそれに関連した問題集を使うことがおすすめです。
- 毎日必ず30分以上をシャドウイングのために確保する
- 通勤時間も使うなど、シャドウイングに充てる時間を確保しましょう。継続は力なり、です。
- 通勤時や外出時には、シャドウイングに代わり、音声を発しないで口の動きだけを真似するマンブリング(口パク)を実践する
- 発音できない状況下では、音声を聞いてマンブリングをすることで、シャドウイングをするのに近い効果を得られます。
※マンブリングとは、音声を発することなく口の動きだけを真似することで、日本語の「口パク」と同じです。
- 発音できない状況下では、音声を聞いてマンブリングをすることで、シャドウイングをするのに近い効果を得られます。
- シャドウイング前にディクテーションを実施
- 筆者が実践した手法で最もリスニング能力の向上に寄与した手法です。これについては最後に詳しくご説明します。
シャドウイングの実施方法
それではシャドウイングやり方と流れについてご説明します。
- ディクテーション(ディクテーションを入れることをおすすめします)
2番の「音読」から開始で良いのですが、音読の前にディクテーションを入れることで、自分が聞き取れない箇所を事前に知ることができます。ディクテーションのやり方は下記参照。 - 音読
- 本文を見ながらシャドウイング
- 本文を見ずに聞いた音をすぐに発音するシャドウイング
- 原文のスピーカーの息継ぎまで待ってシャドウイング【上級】(効果大)
ディクテーションとは?
聞いた英語を正確に書き取る練習で、リスニングとスペリングのスキルを向上させます。効果的な学習のためには、短いセクション(文章)から始め、繰り返し聞いて書き取り、確認して間違いを修正することが重要です。また、ディクテーションでは文法の知識も必要となるため、正しい英語を書く力も身につきます。
おすすめのディクテーションのやり方
- 全文をディクテーション
英文を聞き、聞いた全文章を書き起こします。聞いてわからない部分はカタカナでよいので何か書く(これにより自分が聞いた音と実際の単語の音がどれくらい乖離しているのかわかる) - ディクテーションにより書き起こした文章の確認
本文を見ながら自分が書き起こした文章の誤りを修正し、知らない単語は発音と意味を確認する。
全文をディクテーションするのは難しい方には、下記のようなディクテーション専用の参考書もあります。
【CD・音声DL付】究極の英語ディクテーション Vol. 1
シャドウイングに用いる教材
まず初級者は必ずシャドウイングをする前に本文を音読しましょう。音読し、自分がわからない単語や発音をあらかじめ調べた上でシャドウイングに移行します。発音がわからない状態でシャドウイングを行うと効果が半減するためです。一通り音読を済ませ、内容を理解したらシャドウイングに挑戦しましょう。
シャドウイングの教材ですが英語のレベルや目的とする語学試験に合わせて選びましょう。英語初級者には以下のような教材がおすすめです。
【初級者】
英語シャドーイングの基本を学ぶための入門書。初心者向けの内容で、CDを活用して効果的に学習できる。
みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング
音読を通じて英語力を向上させるトレーニング本。CDを使って発音やリズムを学び、実践的な学習が可能。
【中級者以上】
中級者からは目的の語学試験に合わせて教材を選びましょう。公式問題集のリスニングパートや速読英単語のような単語を文章で覚える単語帳をシャドウイングするのがおすすめです。また、TOEFLやIELTSは英検準一級やTOEIC800点以上取得後、基礎力を付けてから挑戦すると無理せず続けられます。
■TOEIC
- 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 10
TOEICのリスニングとリーディングセクションに特化した公式問題集。実際の試験に近い問題で実力を確認できる。 - 公式TOEIC Listening & Reading 800+
高得点を目指す受験生向けのTOEIC対策書。800点以上を目指すための戦略や問題を解説。
■TOEFL
- 改訂新版 TOEFL TEST 必須英単語5600
TOEFLテストに必要な英単語を網羅した単語帳。単語をフレーズで覚えることができ、文章中での使われ方についても学ぶことができる。 - Official TOEFL iBT Tests Volume2
TOEFL iBTの公式テスト集。実際のテスト形式で練習でき、スコアアップに役立つ。
■IELTS
- IELTS Practice Exams (with Online Audio) (Barron’s Test Prep)
IELTSの練習試験とオンラインの音声が含まれた本。試験形式に慣れるための実践的な練習ができる。 - IELTS 18 Academic Book + Audio With Resource Bank: Authentic Practice Tests
IELTSアカデミック版の実践試験集。本番と同じ条件での練習に適している。
筆者は学生時代にTOEFL受験のために「改訂新版 TOEFL TEST 必須英単語5600」をディクテーションしたのち、音読、シャドウイングという流れで勉強し、本文を覚えるくらい何度もシャドウイングを繰り返しました。TOEFL受験に必須の単語を覚えることに加えてリスニングも鍛えることができる一度で二度おいしい良書です。しかし、内容は非常にレベルが高いので、TOEICで900点以上を取れる方におすすめです。
■番外編
参考書だけでなく、以下のWebサイトやポッドキャストがシャドウイングに役立ちます。聞き流すより更に音に集中する必要があるので、リスニング力の向上に役立ちます。
まとめ
シャドウイングは、英語のリスニングとスピーキングスキルを効果的に向上させる学習法です。適切な教材を選び、繰り返し練習することで、自然な英語の発音と流暢な会話能力を身につけることができます。おすすめの参考書を活用しながら、効果的なシャドウイング学習に挑戦してみてください。